早々に夏日になったり、肌寒い日もある初夏ですが、あっという間に梅雨ですね。
気になることは沢山ありますが、まずは先月の更新情報から。
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■ 先月の記事・トピック
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・当たり前の頂へ。基本への帰還
https://bbns.jp/knowledge/1542/
2025年05月14日 公開 / 読了見込 8分
・Web制作を、勝利の鍵に
https://bbns.jp/uncategorized/1557/
2025年05月28日 公開 / 読了見込 10分
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■ その他の更新コンテンツ
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・『Conoha VPS + SES送受信が快適な件』
https://note.com/bbns/n/n117885a05512
2025年05月07日 公開
・月刊BLUEBNOSE 2025年05月号(#17)『一編の物語に、二つの転はちょっと入れない』
https://bluebnose.theletter.jp/posts/0c2c3b10-1c44-11f0-a7ac-ffd75db8e0ff
2025年05月16日 公開
・『Googleフォームにグレート合体。ZAP!+G』
https://note.com/bbns/n/n51e87e65f4b9
2025年05月21日 公開
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■ 青鼻の独白
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今年の3月末、E-E-A-Tに関してちょっと気になる記事がSearch Engine Journalに公開された。GoogleのJohn Mueller氏が、"Search Central Live NYC"にて、「E-E-A-Tはウェブサイトに追加できるものではない」と説明したとのこと。
E-E-A-Tは、BLUE B NOSE(以下:BBN)のコンテンツでも何度か取り上げてきたので、このトピックについて、解説や考察をする責任もあるのではないかと勝手に思っている。(=ちょうどいいネタになると思っただけ)
そこで今回は、当該記事の真意を読み解きつつ、私なりの考察をお伝えしよう。特に「E-E-A-Tとは何なのか」や「これからどうすれば良いのか」について、解説していきたい。
E-E-A-Tは、「ウェブサイトに追加できるものではない」?
まずは、件の記事をご確認いただきたい。
https://www.searchenginejournal.com/google-confirms-you-cant-add-eeat-to-your-web-pages/543177/
全編英語ではあるが、ボリュームも控えめなので、お好みの翻訳ツールで適度に分割してコピペすれば、大意は掴めるだろう。
全体を通して言えるのは、今回改めてE-E-A-Tについて言及されているものの、その内容自体はこれまでのガイドラインと大きく変わらない、ということ。YMYLコンテンツ、つまり健康や金融に影響するトピックを除けば、E-E-A-Tがランキングに直接影響を及ぼすことはない、とされている。
YMYLを扱っていない多くのWebサイトにとって、E-E-A-Tはあくまで「コンテンツの品質」に関する指針や目安であり、「これをやれば順位が上がる」といった直接的なSEO施策ではない。それは、今までも、これからも変わらない。
よって、SEOとして低品質な記事やWebサイトに対して、E-E-A-Tを「追加」しようとしても、YMYLコンテンツでない限り効果はないし、AIに生成させた記事に、架空の肩書きや偽の経歴を「被せる」ような行為も、意味はない。
これは以前、私が書いた『SEOも、人によるライティングも、死なない』(https://note.com/bbns/n/n3e6d959201f5)の記事の中でも触れている。
仮に、生成AIを用いてコンテンツを完全に自動生成した場合、構造化マークアップの部分、特にauthorなんてどうするんでしょうね。authorとして設定されている本人でもないのに、その人と偽って発信してしまったり、それらをpublisherとして掲載を許すような組織と認定された場合、なんらかのペナルティが発生しそうです。
Googleを欺いてまで、彼らが掲げたE-E-A-Tや検索体験を汚すような行為をしてしまうと、どうなるか。私には想像がつきません。
今回のJohn Mueller氏の発言も、意味合いとしてはほぼ同じだろう。
つまり、「E-E-A-Tは追加できるものではない」のニュアンスとしては、「被リンクを買っても意味ないよ」といった、ブラックハットSEOに対する牽制と似たような流れにあるとも言える。これまでのコアアップデートでも、施策に依存していたサイトが処罰されてきた例は数多い。
E-E-A-Tに関しても、現時点では「構造化データの活用」や「著者情報の提示」といった要素が、必ずしもブラックとまでは見なされていないが、状況次第では今後のアップデートで対策を取りにくる可能性もゼロではない。
過度のE-E-A-T詐称は、今のうちに見直しておいた方がいいだろう。
E-E-A-Tとは信頼の醸成
繰り返しになるが、E-E-A-Tはどこまで行っても「コンテンツの品質」に関する評価指針であり、「YMYLに該当するようなテーマでない限り、直接的にランキングに影響を与えるものではない」というのは変わらない。
私自身、YMYLコンテンツを扱うことが少ないので、それ以外の一般的なコンテンツにおけるE-E-A-Tに限った話にはなるが、重要なのは「信頼の醸成」に集約される。
例えば、「ウェブサイトに追加」として想起されそうな、記事(Article、NewsArticle、BlogPosting)の構造化データの項目でいえば、
author(書き手)プロパティとして設定されるPersonまたは Organization
publisher(コンテンツが掲載されているメディア)としての信頼性
必要に応じて、監修者・レビュー担当者などの情報
といった部分だろう。
author や publisher として示された人物や団体に対して、ユーザーがどれだけの信頼を寄せられるか。「目に見えない関係性」こそが、E-E-A-T。これは、今回引き合いに出した記事でも
信頼性とは、獲得されるものであり、人々が推薦する結果をもたらすものである(中略)
EEATシグナルが何なのか、本当のところは誰も知らない
とも言及されている。
E-E-A-TとはHTMLや著者情報ページの追加、構造化データやマークアップの実装で容易に「追加する」ものではなく、コンテンツの受け手との間で醸成される「行間」のようなものであり、明確に形を与えられたものではない。
つまり、小手先で「それらしく」見せるだけでは効果を発揮しない。
仮に内容が真に迫っていても、それがAIによる生成であり、その正確性や信頼性を人間が担保していないものであれば、E-E-A-Tの土台そのものが揺らいでしまう。
そんなやり方では、信頼の醸成は不可能だろう。
構造化データの設定自体は、無意味じゃない
ちなみに、今回の記事で語られたJohn Mueller氏の発言は、Googleとしての一貫した見解、「E-E-A-Tはコンテンツの品質指標である」という主張を踏襲している。
ただ、これまでの経験からすると「そのまま額面通りに受け取るべきではない」とも感じている。
たとえば過去には「Authorランク」という概念が一時的に注目され、公式にはGoogle+と共に消え去ったとされたにも関わらず、近年リークされた文書には、非常に似た評価項目が含まれていた。
これがどの程度まで検索順位に影響していたか、また現在もその影響が残っているかは定かでない。とはいえ、「author」や「publisher」などを構造化データとして適切に設定し、リッチリザルトとして表示されるように実装しておく行為自体は、決して無意味ではないし、無駄にもならないと考えている。
現在のSEOは「ドメインゲーだ」とも言われるが、後発のドメインやWebサイトが真面目にSEOをやって勝負するためには、「これを評価してくれ」という情報(=authorやpublisher)をきちんと差し出した上で、検索ユーザーとアルゴリズム両方の信頼を獲得していくのが一番じゃないかと考えるからだ。
つまり、ブログマーケティングでもコンテンツマーケティングでも、どちらの観点でも構わないが、とにかくE-E-A-Tに基づいて良質なコンテンツを作り、authorやpublisherに対する評価、信頼を積み重ねる。それを経て徐々にサイト全体、ドメイン全体の評価も高めていく。
この時にとれる最良の手段が、構造化データによる明示ではないだろうか。
真っ当に取り組む分には、E-E-A-Tを守り、構造化データやリッチリザルトを駆使することは間違いではない。それが、私の考察である。
E-E-A-Tの真髄は、技術と心
構造化データもE-E-A-Tも、実装したらすぐに効果が出るようなものではないし、依然として「ウェブサイトに追加できるものではない」。
つまり、(SEOとして)「旨みが欲しいから」と、旨味調味料や顆粒出汁をパパッとふりかけて美味しくなったとしても、必ずしも評価に繋がるとは限らないということ。
現在というか、今までのSEOも根本は一切変化しておらず、本当に大事なのは「手軽に旨くすること」ではなく「本当の旨さを届けよう」とする心意気や、それを実現する技術の方ではないだろうか。
旨味調味料や顆粒出汁はいつでも使えるし、「一味足りない」なら塩や醤油をちょっと足しても構わないけれども、「本当の美味しさを届けたい」と思ったら、良い昆布と良い鰹節を使って、一から丁寧に出汁を引くのでは?
その手間や技術、そして「いいものを味わって欲しい」という直向きな心意気や誠実さこそが、本来のE-E-A-Tに必要なものだろう。
旨味調味料も顆粒出汁も便利だし、良いところもあるが、お客さんに出すご馳走としては不適切。やはり「馳走」の文字通り、必死に走り回って汗をかくのが、SEOとしても王道のおもてなしである。
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■ 編集後記
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イネ花粉の全盛期ですが、今年は田植えが遅れているのか、平和な日々を過ごしております。空梅雨気味な気がする六月ですが、油断禁物。しっかり備えましょうね。
屋内でも熱中症に気をつけて、元気に過ごしましょう。
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【月報 BLUE B NOSE 2025年06月号 (#17)】
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